この記事では、沖堤防におけるおすすめの釣り方を紹介します。沖堤防は陸続きの防波堤よりも潮通りが良いため魚影が濃く、基本的によく釣れます。これはどこの沖堤防でもほとんど同じで、渡船料金が必要というハードルがあるため人が少なく、釣り荒れる事が少ないという理由もあります。
しかし、「釣り方」はとても大切です。せっかくお金をかけて沖堤防まで足を運んだのに、ボーズだったら悲しいですよね。そこで、かなりの釣果を望める沖堤防でのおすすめの釣り方を、3つほどご紹介します。ぜひ参考にしてください。
基本的にはケーソンの継ぎ目を狙う
沖堤防における一級ポイントと言えば、ケーソンとケーソンの継ぎ目です。この継ぎ目自体は陸続きの防波堤でもありますが、一般の人も立ち入る事ができる防波堤は沖堤防と違って、定期的に整備されます。
事故などが起きないように、少しでも隙間が大きくなったり崩れたりすると、すぐに工事で綺麗に修復されてしまうのです。
しかし沖堤防はそうそう頻繁に工事は入らないため、参考画像のように10-20cmくらい隙間が空いている場合や、崩れている場合があります。
この隙間は、魚の隠れ家になっていたり、両サイドにイガイや貝、エビやカニなどが住み着いたりしており、これらを狙って様々な魚が寄ってきます。
基本的には、このケーソンとケーソンの隙間に仕掛けを落とす方法が、沖堤防において確実な釣果を得る釣り方になります。
仕掛けを落とすポイントは4か所
ケーソンの継ぎ目にも、実は細かくポイントが分かれています。この中で、ほとんどの人は②に仕掛けを落とし込むでしょう。しかし、実は②が一番釣れません。
魚は基本的には潮の流れに逆らって泳ぐため、右から左に潮が流れている場合は、魚は①のポイントにいる事が多いです。①で待機して、落ちてくるエサを待ち受けているのです。
写真は少しわかりにくいですが、魚アイコンの場所ではなく、①の場所に魚がいます。なので、②の真ん中に落とすのではなく、少しだけズラして仕掛けを落とすことで、大きく釣果が変わります。食いのいい日などはあまり差はありませんが、渋いときなどは全然違いますので、ぜひお試しください。
④も良く釣れるポイントですが、あまりに隙間が狭いと仕掛けを落とせなかったり、魚がかかっても根がかりしたり、引き上げるスペースがなかったりと、かなり難易度の高いポイントになります。また、ラインブレイクや根がかりもよくあり、基本的には道糸をタコ糸にして釣る事になります。
ただ、釣りにくい場所という事もあって魚の警戒心は薄れており、非常によく釣れます。大物も潜んでいる事が多いので、隙間の広いケーソンを見つけたら挑戦してみましょう。
内部が分裂しているケーソンを探そう
ケーソンは、上部と下部に分かれているタイプがあります。そして、上部に隙間がない場合でも、下部のケーソンには隙間がある場合があります。(画像参照)
こういったケーソンは超穴場です。やはりパッと見では隙間のないケーソンに見えますので、初めて来た人などは無視して隙間のあるケーソンを探します。
釣り荒れている事も少なく、仕掛けを落とせばいきなり大物が釣れることもありますので、上から覗き込んで下部のケーソンの形状も確認しましょう。
ヘチ釣り、探り釣り、ズボ釣り
沖堤防におすすめの釣り方1つ目は、ヘチ釣り、探り釣り、ズボ釣りと呼ばれる釣法です。名称は様々ですが、基本的には同じ釣り方です。シンプルな1本針仕掛けか市販の胴付きしかけを用意して、上からゆっくりと落とし込みます。
ヘチ釣りはヘチ(岸壁のキワ)を狙うから、探り釣りは色んなケーソンを歩いて探りながら狙うから、ズボ釣りは、仕掛けを放置して待つだけのズボラな狙い方だから、この名称で呼ばれています。
エサは対象の魚種により多少変わりますが、シラサエビ(モエビ)、ゴカイやイソメ、キビナゴ、魚の切り身、シラウオ、カニ、ドジョウなどを使います。生き餌の方が食いがいいので、サシアミや疑似餌(ワーム)はあまりおすすめしません。
また、ポイントや地域により反応の良いエサは違いますので、渡船屋さんや地元の人に聞くのが一番良いでしょう。
リールはなんでもいいですが、落とし込み用の太鼓リールや小型の両軸リールの方が、道糸の送り出しや棚の微妙な調整をしやすいです。竿は釣り場にもよりますが、1~2m以内の短めの穴釣り専用の竿が扱いやすいです。一番おすすめなのは、1.5m程度のイカダ竿ですね。
ケーソンの継ぎ目で狙える魚
ケーソンの継ぎ目では、主に下記の魚が潜んでいます。釣れる魚種は地域や季節などにより多少変わりますが、回遊魚やイカはめったに釣れません。
- 根魚(カサゴやメバル、ソイなど)
- スズキ
- チヌやキビレ
- アイナメ
- グレ
- サンバソウ(イシダイの幼魚)
- カワハギ
- チャリコ(真鯛の幼魚)
- ハゼ
- ベラ
- タコ
- アナゴ
岸ジギとテクトロ
お次は、ルアー(疑似餌)を使った2つの釣法です。沖合に投げるのもいいですが、足元にも大物が潜んでいます。狙える魚はチヌやスズキ、カサゴやメバル等の根魚になります。
岸ジギ
岸ジギとは、岸壁ジギングの略語です。そのままの意味で、ジギングを岸壁のキワでやります。ケーソンとケーソンの隙間にメタルジグを落として、主にフォール中の自然な動きで魚を誘います。
一般的なジギングのように上下に振ってしまうと、すぐに岸壁に根がかりして高額なメタルジグを失ってしまいますので、それほど大きくシャクる必要はありません。落として止めてを繰り返し、底まで着いたら小さくシャクりながら巻き上げるか、一度完全に巻いて再度落とし込みます。
ほとんどのアタリはフォール中(落としているとき)に多く、道糸の微妙な動きや変化を見逃さずにアワセを入れます。
テクトロ
テクトロとは、歩く時の擬音「てくてく歩く」と、「とろとろ歩く」を掛け合わせた造語です。この釣法はケーソンの継ぎ目を狙うのではなく、岸壁際の一定の棚までルアーを落とし、そのまま岸壁沿いを歩くだけです。つまり、岸壁のそばを泳ぐ小魚を演出します。
棚さえあっていれば、岸壁を徘徊している魚がパクっと食いついてくるという寸法ですね。ルアーは棚を調整しやすいバイブレーションを使用し、潮の流れとは反対方向に歩きます。その他いくつか注意点があるので紹介します。
岸壁のそばを歩かない
あまり岸壁に近すぎると、魚から人影が見えてしまい、逃げられてしまいます。仕掛けは岸壁のキワを攻めますが、釣り人は岸壁からなるべく離れましょう。
ルアーがアクションしているかは常にチェック
歩く速度が遅すぎると、ルアーがアクションしません。何度かテストをして、しっかりとルアーが動くくらいの速度で歩きましょう。また、ゴミが絡まるとルアーの動きが悪くなります。違和感があれば定期的に引き上げてチェックしましょう。
沖堤防では足元狙いがおすすめ!
ヘチ釣り(ズボ釣り、探り釣り)、岸ジギ、テクトロと、沖堤防におけるおすすめの釣り方を3つ紹介しました。沖堤防では今回紹介した釣り方以外にも、回遊魚を狙う飛ばしサビキやジギング、投げ釣りやシンプルなウキ釣りなど、様々な釣りを楽しめます。
その中でも、足元のケーソンを狙った釣り方は一年中楽しむ事ができ、比較的容易に大きな釣果を望めます。いきなり回遊魚狙いもいいですが、まずは足元のケーソン狙いで沖堤防に足を運んでみましょう。
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